拾われた猫。
私はふと夢の琥珀色の彼を思い浮かべた。
あの人は知っているのかもしれない。
でも……私が知って何になるんだろう。
私はお父さんたちに何も出来ない。
「雨!」
ドタドタと私の方に走ってきたのは平助だった。
「雨、洗濯終わったか?」
「いや、まだだけど」
「そっか…、じゃあ終わったら部屋きてくれよ」
それだけ言って、また帰って行った。
何があるのか知らないけど、とりあえず洗濯を続けることにした。