拾われた猫。
ぱぁっと目を輝かせる彼をポンポンッと撫でてやる。
「ガキだな」
「……」
2人は冷やかな視線を平助に送った。
平助は恥ずかしげもなく、ニコニコと笑っていた。
一体何なんだろうか。
「……お前を呼んだのは芹沢さんの事だ」
一の声で2人が顔をしかめた。
「…芹沢さんの事は知っているか?」
私は首を横に振った。
お父さんは相当不器用だけど、悪い人じゃない。
私のことも良くしてくれた。
だから聞きたくなかった。
でも今の私はあの人に一番近い存在。
つまりは私の意思に関わらず、聞かなければならないのだ。