拾われた猫。



「そう言えば土方さんもあの子のことを信用しかけているね。

刀を持たせた辺りから」



自分の刀に片手を置いて、もう片方は着物の中に入れて、腹部にもたれさせた。


沖田総司の声に原田左之助はフッと笑った。




「それはお前も含めて、だろ?」



沖田総司は目を見開いていた。


まるで気づいていなかったのか、怪訝な顔を浮かべた。



それに追い打ちをかけるように原田左之助は言葉を続けた。




「総司、お前こそご丁寧に忠告してただろ」


原田左之助はしてやったりと言わんばかりにニヤリと笑う。



「そうなのか?!

総司だって心配なんじゃんか」


安心したようにケラケラと笑う藤堂平助を睨みつけていた。



その様子に斎藤一はクスリと笑った。


< 154 / 443 >

この作品をシェア

pagetop