拾われた猫。
◆◇◆◇◆



別にどこに行く目的もなく、町の中をフラフラと歩いていた。



ここは歴史通りには進んでいない。


全く別の世界なんだから。




でも新選組という組織は存在している。


これがどういう事なのかさっぱり分からない。




「江戸國…か」


そもそも芹沢鴨がいた時は京にいたはずなのに。



フラフラと歩いていると、やがて梅姉さんと一緒に行った呉服屋が見えてくる。


そこで足を止めた。




ニコニコと笑いながら私の着物を選んでくれた。


その着物のお金は仏頂面のお父さんが出してくれた。




無意識に片手で胸を掴んでいた。



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