拾われた猫。
どうやら私に聞かれたくない話だったらしい。
当たり前と言えば当たり前だった。
私は彼らとよく一緒にいる。
今の彼らからしたら、危険人物でしかない。
「さっさと部屋に帰れ」
トシは私に追い打ちをかける。
トシの殺気が私の目を鋭くさせた。
「あんたらにとって今の私は邪魔でしかないのは分かってる。
……なんなら殺せば?」
私は両手を広げて、無抵抗な意思を伝える。
平助は嘘をつけない。
明らかな焦りを表情に浮かべたが、誰も動かないことに安心していた。
それから私とトシの睨み合いが始まった。