拾われた猫。
第三章
宴会
「もう一度言う。
部屋に戻れ」
トシは威圧を放ちながら、私に言葉を紡いだ。
両手を下に下げて、私はその場にストッと座る。
そして皆の前で床に両手をつけて、頭を下げる。
「お父……芹沢さんのこと、私に任せて下さい。
あんたらの都合の悪いようには絶対しない」
皆の表情は分からない。
でも、空気が変わったということは分かる。
「お前……」
トシの言葉が続く前に、誰かが私の脇に手を入れて立たせた。
「左之、何?」
左之は悲しげな、でも怒っているような顔だった。