拾われた猫。
トシはそのままの状態で私を見て、言い放った。
「…あの人はお前の手に負える人じゃねぇ。
話を聞いた以上協力してもらう……と言いたいところだが、覚悟のつかないお前は邪魔だ。
今回勝手に出てきたことについては咎めねぇが、邪魔をするようなら斬る」
入ってきた時から、トシや皆の顔を見た瞬間から、もう分かっていた。
この人たちは本気なんだという事も。
上というのが誰を指すのかは知らないけど、その人が何を思って忠告したのか、それくらいトシがわからないわけが無い。
何を言っていいのか分からない。
私は頭を下げてまで誰かが気になったことなんか無かった。
こういう時にどう言ったらいいのか分からないけど、どう言っても無駄なことは分かった。
左之は私の腕を引いて、大広間を出た。
抵抗することなく、私の部屋に着いた。