拾われた猫。
私は刀を袖口に入れる。
暗器はいつも忍ばせている。
殺しの依頼の時とは状況が違う。
場所や決行される時間は全く情報がない。
今はどこの飲み屋も灯が点いている。
一つずつ探っていくしかない。
それをするにはヒントが少なすぎて時間が無い。
こんなことなら新八によく行く飲み屋でも聞いておくんだった…。
とにかく走った。
何軒も聞いて回った。
本来なら最中に聞いて回るなんて素人がする事。
でも今はそれしかない。
顔を外套で隠して、店を一つずつ押し入った。
不審に思われながらも懲りずに押し入る。