拾われた猫。
バタバタバタッと2人くらいの足音が聞こえる。
障子のもう片方が勢いよく開いて、男が2人現れた。
「アイツが起きたって本当か?!」
勢いよく入ってきた彼は、私を見るなりポカンとしていた。
「退けよ、平助!
邪魔なんだよっ!」
平助と呼ばれる先に入ってきた男は蹴り飛ばされて前に出てきた。
総司と呼ばれる男にぶつかるかと思いきや、サッと避けて私の足の上に上半身が乗った。
「うわっ!
ちょっ、しんぱっつぁん!
何やってんだよ!」
「うるせぇ!
邪魔だから退けたんだよ」
人の足の上に乗ったまま喧嘩し始める。
いや、喧嘩というよりじゃれ合っている感じだった。
「平助も新八もじゃれるのはいいが、お客人が重そうだぞ」
レッドブラウンの彼は苦笑いでそう言った。