拾われた猫。



「おわっ!

ごめんな?」



平助と呼ばれる男は子犬のような顔で私を見つめる。



他の人に比べて幼く見えるその顔は少年のようだった。




「新ぱっつぁんが悪いんだからな!」



体を起こしながら、また喧嘩を始めた。



総司と呼ばれる男はいつの間にか、近藤と呼ばれる人の逆隣に座っていた。



新八と呼ばれる男はレッドブラウンの男の隣に座る。



「悪いな、ガキ共が五月蝿くて」



両脇から言い合われる彼は苦笑しながら言う。

彼が立派な人に見える。



「おいおい、そのガキ共にはお前も入ってるんだろうな、佐之!」

「そうだぜ、佐之さん!

まっ、新ぱっつぁんは図体でかい割に心はガキだからな!」

「何だとコラァ!」



また言い合いが始まった。


終わりのない騒がしさに呆れていた頃だった。



< 21 / 443 >

この作品をシェア

pagetop