拾われた猫。



「死にてぇのか」


土方歳三の問いには答えなかった。


痺れを切らした彼は舌打ちをする。



沖田総司から受け取った甘味を自分の口に入れる。





甘い物が苦手な土方歳三が甘味を口に入れたことで、周囲はかなり驚いていた。



そんなこともお構い無しに、土方歳三は彼女の後頭部に片手を置き、腕を自分の方に引っぱる。


そしてそのまま香月雨に口付けた。



緊張の雰囲気が一変し、静寂に包まれた。



「んっ…」


香月雨の吐息が漏れる。


土方歳三は彼女の口の中に自分の舌を入れた。


彼女は自分の状況を把握し、彼を拒んだ。



我に返った原田左之助が2人を引き離す。



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