拾われた猫。
「…あの人たちが居てくれたから一人じゃないと思えた。
でもまた一人になっちゃった…」
呼吸がどんどん荒くなっていく。
「私なんか…居なくなればいいのに……!」
息ができない程荒くなる。
ハァハァと短い呼吸を続けるうちに頭も朦朧とする。
「雨!
落ち着け、ゆっくり息をしろ」
左之は私の異変に一早く気づいた。
背中を擦りながら体を支えてくれる。
それでも呼吸はどんどん荒くなっていく。
これが所謂過呼吸というものなんだろう。
なったことが無い私は止める術を知らない。
───雨。
頭の中から声が聞こえた。