拾われた猫。
「まぁまぁ平助も永倉くんも病人の前だ。
落ち着きなさい」
近藤と呼ばれる男が宥めると、渋々言い合いをやめた。
「実はな、君を連れてきたのは平助なんだ」
平助と呼ばれる男を見ると、彼はニカッと笑った。
「助けてくれてありがとうございます。
でももうここにはいられない。
荷物を返してください」
「ダメだって言ってるよね?」
私の言葉に一番に反応したのは総司と呼ばれる男だった。
総司と呼ばれる男を睨みつける。
「女の子があんなもの普通持たないよね。
間者とか?」
彼の言葉で周りが身構える。
でも私は表情を変えない。