拾われた猫。
「助けてもらったことには感謝してます。
でも勝手に連れてきて、勝手に疑って迷惑です」
布団から出てスッと立ち上がる。
それと同時に総司と呼ばれる男も立ち上がった。
「フッ。
ブカブカだな」
佐之と呼ばれた男が声を上げた。
チラリとそちらを向くと、彼だけは警戒心が無く、優しく微笑んでいた。
「うちでは一番平助が身長低いんだが、やっぱり体格差が違うんだな」
「違う。
俺の身長が伸びてるんだよ」
ニカッと笑ってそう言うと、「いっちょ前に」と永倉と呼ばれた男が茶化す。
「ここにお前の刀やらを持ってきた」
佐之と呼ばれる男は自分の後ろから、私の刀と暗器を持ち出す。
佐之と呼ばれる男の方に一歩踏み出すと、斜め前から刀を突きつけられた。