拾われた猫。



「総司!」


近藤と呼ばれる男は彼を止めようと大きな声を出すが、彼を止めることはできなかったようだった。



「どっかの間者かもしれないのに生かして帰すわけにはいかない。

でも拷問にかけるのも面倒だし、切っちゃいましょう」



彼の方を向くと、殺気を放った。


その場にいた全員が1拍遅れて戦闘態勢になった。



まさかこんな小娘が自分達よりも強いわけがないと思っているんだろう。




「武器がなくても戦えるけど?

私を止めたいなら、まず手足切り落とさないと。

まぁ無理だろうけど」



佐之と呼ばれる男のところに行き、刀を手に取る。


しかし服が大き過ぎると、随分と場合勝手が違い、動きづらい。



その時気配を感じて、鞘も抜かずに刀を防ぐ。



表情はにこやかに笑ったままだけど、頭の方はかなり興奮している様子だった。




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