拾われた猫。



刀を流し、腹部を回し蹴りしてやると障子を突き破って吹っ飛んだ。



かと思ったらすぐに立ち上がる。




「総司!

君も止まりなさい!」



この人、本当に強い。


それに多分、戦闘狂だ。



笑って戦うなんて、変な人。




総司と呼ばれる男が構えるが、私は直立不動のまま動かない。




「やる気無いわけ?」

「別に」



短い会話をした後、彼が突っ込んでこようとした時だった。



甲高い音とともに、彼の刀が止められた。




黒髪を低い位置で一つに結んだ長い髪の男が止めていた。



「……土方さん」



悔しそうに絞り出した彼の声が聞こえた。



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