拾われた猫。




「私、全然関係あるじゃん」


クスクスと笑いながら、ハッとした。



無意識に自分を〝私〟と呼んでしまった。




「あー、えっと…」


ごほんっと咳払いをして、動揺を振り払う。



「トシも総司も面倒くさすぎ。

俺はあんたたちを恨んだことなんかない。

時間は必要だけど、あの2人が受け入れたんだ。

俺が受け入れないわけにいかないでしょ?」



クスクスと笑って総司の前にしゃがむ。



頭を撫でてやると、総司は目を見開いていた。




「もういい。

もういいんだよ」



子供をあやすみたいに撫でる。



その手を急に引かれ、総司の中に収まってしまった。



< 255 / 443 >

この作品をシェア

pagetop