拾われた猫。
「私、全然関係あるじゃん」
クスクスと笑いながら、ハッとした。
無意識に自分を〝私〟と呼んでしまった。
「あー、えっと…」
ごほんっと咳払いをして、動揺を振り払う。
「トシも総司も面倒くさすぎ。
俺はあんたたちを恨んだことなんかない。
時間は必要だけど、あの2人が受け入れたんだ。
俺が受け入れないわけにいかないでしょ?」
クスクスと笑って総司の前にしゃがむ。
頭を撫でてやると、総司は目を見開いていた。
「もういい。
もういいんだよ」
子供をあやすみたいに撫でる。
その手を急に引かれ、総司の中に収まってしまった。