拾われた猫。
「総司?」
私の呼び掛けに更に腕の力を強くした。
総司の肩が少し震えている気がした。
その背中をポンポンッと撫でてやる。
「…温かいね」
「普通だよ」
総司は「フフッ」と笑って、私から体を離した。
「誰かに抱きついたのは子供の時以来だったから。
……ねぇ、雨ちゃん」
今度は優しく笑う彼が私の頭を撫でた。
優しいその手つきは少し震えている。
「君を大事にしたいんだ。
どうすればいい?」
困ったように笑った彼の質問に戸惑う。