拾われた猫。
第四章
猫又
相変わらず私はトシの部屋で窓の外を見ていた。
「お前は本当に暇だな」
「トシが仕事くれないからね」
ムッとしながら言うと、トシはクスリと笑った。
トシは私といる時も最近よく笑うようになった。
そんなトシに微笑みかける。
「お前、最近よく笑うようになったな」
私の方を向き直って、そう言った。
今度は私が笑う。
そしてトシがムッとした。
「トシも最近よく笑うようになったなって」
「そうか?」
首を傾げる彼は自分では気づいていないようだった。
その時、障子の後ろから気配が現れた。