拾われた猫。



「香月くん?」



源さんに呼びかけられ、ハッとする。



猫又は未だに暴れている。


形も大きさも尾を除いては猫と変わりはない。



それなのにこの子の祖先はどうして戦いに巻き込まれたのだろう。



「それで、近藤さん。

まさか、こいつを飼うとか言わねぇだろうな」


トシが鋭い目で睨みつけると、勇は苦笑いを返した。



その事に察したのか、トシは溜め息をついた。



そして思いついたように私を見た。




「香月、お前仕事が欲しいって言ってたな?」



ニヤリと笑う彼に嫌な予感しかしなかった。



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