拾われた猫。
「だからって俺に押し付けないで。
犬猫なんか飼ったことない」
プイッと顔を背けると、あの猫と目が合う。
私に牙を剥き、檻の中で今も暴れていた。
周りで猫又を見ている平助や新八も、手に負えない様子だった。
猫又は未だに私を見ている。
猫又の目をじっと見つめて、殺気を込める。
すると、唸るのをやめて大人しくなった。
「雨!」
平助は眉を下げて私の名前を呼んだ。
「大人しくさせないと、怪我が大きくなる」
呆れたように言う私に、敵意がないのだと分かったのか、ホッとしたようだった。
「急にあんなに殺気を出すからたまげたぜ」
刀を貰った時いた3人以外は驚いていた。
一番私に興味を持ったのは敬助だった。