拾われた猫。
「香月くん、無闇に触ろうとしてはいけない。
今は傷ついているとはいえ、獣なのだから」
責任感の強い勇のことだ。
連れてきた自分の責任だと思っているんだろう。
しかも押し付けてしまったと思っているのではないだろうか。
「それは分かってる。
猫又について詳しい人居ない?」
勇と丞は頭を捻らせ、やがて一つの答えに辿り着いた。
「山南さんなら何か知っているかもしれないな」
丞の言葉を信じて、敬助の部屋に行ってみることにした。
部屋に着くと、敬助は巡回中で居なかった。