拾われた猫。



歩き出した私たちに総司もついてくる。



何を言っても聞きはしないだろうと、もう何も言わなかった。



しばらく歩いていると、平助も合流した。




「あれ?

なんで総司がいるんだ?」



首を傾げる平助に事情を説明すると、呆れた顔を浮かべた。


平助の方は見回りが終わったらしかった。




4人で合流地点に向かい始める時だった。



「お前さんや」



ふと声をかけられて、振り返ると懐かしい顔があった。



「冬流さん」

「やはりお前さんじゃったか。

随分と雰囲気が変わったのぅ」



驚いたように私を見ていた。



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