拾われた猫。



平助だけが彼を知らず、?を浮かべていた。




「雨ちゃんに刀をあげた刀匠だよ」

「そうだったのか」



冬流さんを、マジマジと見ている。


そんな平助たちを気にすることもなく、私に話を進めていく。



「丁度いい。

お前さんに用があったんじゃ。

お前さんに頼まれていた刀が出来上がった。

これから取りに来い」



そうは言っても私は巡回中で、まだトシへの報告が済んでいない。


顎に手を当てて悩んでいると、肩に手を置かれた。




「行っておいで。

土方さんには僕から言っておくよ」



妙に優しい総司にジトッとした視線を返す。



すると黒い笑みを浮かべる。



「僕が信用出来ない?」

「当たり前」


そう言って一の方を見ると、コクリと頷いてくれたので、お言葉に甘えることにした。



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