拾われた猫。
基本的にはお風呂か寝る以外は家に居ない。
食べるのも適当に外で食べる。
学校から帰ると、〝仕事の時間〟になるまでは決まった場所に留まる。
家から歩いて40分ほどかかる森の中にある小さな祠。
そこに寄り添うように座る。
それが私の日常。
ここは誰も来ない私だけの秘密の場所。
世界が私一人になったみたいに、静かで守られてるような気がする。
古くて、ボロボロの祠にも何かご利益があるのかもしれない。
夕日が出てくる頃にウトウトとするのもいつもの事。
ここなら誰も来ない。
人が来るのを一度だって見たことがない。
だからそのまま意識を手放した。