拾われた猫。



随分と話し込み、帰る頃には夕暮れ時になっていた。



「また来る」と言って、薄暗い道を歩いていた。




「こんなに遅くまで、帰ったらトシの説教かな」




考えただけで面倒くさくなっていたその時だった。



殺気を感じてその場で立ち止まり、半身ずらす。



その瞬間にずらした位置に矢が刺さった。



それと同時に私の周りを4人が囲む。




「新選組と一緒にいたのを見ていた。

俺たちと一緒に来てもらおう。

痛い思いをしたくなければな」



こいつの言い方だと刀を腰に差していない私を、新選組に入ったと思われていないらしかった。




「悪いけど、従うつもりはない」




クナイを取り出し、戦闘の意思を見せる。




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