拾われた猫。
「どうして?」
真っ白な空間。
いつもの琥珀色の男ではなく、短い白銀の髪の男の子が立っていた。
男の子は私に驚いたように問いかけてくる。
「どうして僕を使わないの?」
可愛らしい顔は困ったようだった。
私はボーッと彼を見るだけで、言葉の意味が分からなかった。
「僕は君を待っていたのに」
大きな瞳から涙が零れる。
驚きながら見ていることしか出来なかった。
「僕は─────」
彼の声はマイクの電池が切れたみたいに聞こえなくなった。
こんなに近くにいるのに、全然聞こえなかった。