拾われた猫。

監視




土方と呼ばれる男は納得してなさそうな顔をしていたが、近藤と呼ばれる男が満面の笑みで承諾した。



結局ここにいる。




そして障子を壊した部屋が私の部屋になった。



土方という男に言われ、総司という男が障子を修繕したおかげで、元の部屋に戻った。



障子に人影が映る。




「入ってもいいか?」



そう聞かれたので障子を開ける。


立っていたのは佐之と呼ばれる男だった。




「その浴衣も合うものに変えないとな。

というか、それでよく刀持てたな」


手と足が見えない状態の私を苦笑した。





「何か?」

「ん?

あぁ、そうだ。

土方さんに大広間に連れてこいってさ」



柔らかく笑って私を誘う。


その背中を追って部屋を出た。



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