拾われた猫。



包帯を変えてもらい、皆がまた戻ってきた。



早々に冬流さんに質問を投げかけられた。



「お前さん、桜牙と話をしたか?」




その時、フッと浮かんできたのはあの男の子の姿だった。


コクリと頷く。



「妖刀はな、持ち主を幸にも不幸にもする」


確かに私の世界にも、昔妖刀が暴走して持ち主を殺したことがあると聞いたことがある。



私の世界には妖刀は少なく、今使っている人は全く居ないだろう。



「人が息をし、考えるように、妖刀にも意志がある。

持ち主が気に入らねばその魂を喰らってしまうこともあると聞く。

……桜牙は何と?」



夢の中で話したことを思い出す。



「……『僕は君を傷つけたりはしない』って言ってた。

『早く僕を頼って』とか」



断面的に思い出す。



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