拾われた猫。



「…副長、入ります」



一の声がして、土方さんが声をかけると例の3人が入ってきた。




「何人か捕縛したよ、トシさん」



穏やかな笑顔とは裏腹に、血の色と匂いを付けていた。



「ご苦労だったな、3人とも。

後は任せろ」



3人はトシの言葉にコクンと頷くと、私を見た。




「雨ちゃん!

心配したんだぜ?!」

「何がともあれ、無事で良かった」

「でも酷い怪我をしたんだろう?」


口々に私に声を掛ける。



トシを見ると、呆れたように笑っていたけど、顎で彼らを指し、机に戻った。




「雨ちゃん、雨ちゃん」



新八から手招きを受けて、近づくと肩を抱かれた。



「あー見えて土方さん結構心配してたんだぜ」


ニヤニヤと横目で土方さんを見ていた。



< 319 / 443 >

この作品をシェア

pagetop