拾われた猫。
目を見開いて私を見る左之に頭を傾げると、また溜め息をついた。
「平助のことは好きか?」
「うん」
「新八のことは?」
「好きだよ」
左之はフッと笑い出した。
私はまた首を傾げるしかなかった。
「まぁ、まだお前は俺の妹分のままで安心したってことだよ」
いつものように優しく笑う顔には、先程の切なさは微塵も感じられなかった。
しばらく歩いて、昼時になったので食事処に入った。
「それで?」
ニコッと優しく笑いながら、全部お見通しみたいだった。
「何か相談があったんじゃないのか?」
「……何で分かるの?」
「お前の行動と態度と顔だよ」
クスクスと笑った左之に私も笑いかける。