拾われた猫。
「じゃあ猫又が絶滅したのは本当?
ノアは生きてた。
他に生き残った猫又はいないの?」
彼は顎に手を当て、真剣に考えている仕草を見せる。
「猫又が絶滅したのは本当だ。
王の側と女王の側のいがみ合いはまだ続いている。
どこかに身を潜めているだけかもしれないが、ここ数十年は発見された例は無いな」
身を潜めている。
確かに猫又は賢いとは思う。
ノアが私に懐いたのも、私がノアを助けたからというのも一理あるだろう。
迷信が本当であればノアは懐かない。
単純に考えれば、私はノアに対して敵意が無いと判断したからなのか。
「そう難しく考えるな。
あの猫又はお前を自分の主と認めている。
…それだけの事だよ」
ふわりと私の前に来て、「よしよし」と撫でた。