拾われた猫。




「ノア、おいで」



私の刀を袖の中に戻し、ノアを呼ぶ。



私の言葉に素直に肩の上に戻った。




「……雨、平助。

お前らは残れ。

他の者は散れ」


トシがそう言い放つと、野次馬たちは散り散りになった。



でも何故か、総司と左之は部屋の中に入って来た。



それをトシがギロリと睨む。



「なんでお前らがいるんだ」

「嫌だなぁ、土方さん。

暴走しないようにここにいるんですよ」



総司は私を見てニコリと笑った。



トシは溜め息をついた。




「まだ確定じゃねぇから内密にしてたんだがな。

ギャーギャー騒ぎやがって」



舌打ちをして、話し始めた。



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