拾われた猫。
「……俺たちが信じない時はどうするつもりだったんだ?」
トシは眉をひそめた。
私は顎に手を当てて考えるような仕草を見せる。
「まぁ、とりあえず死なないように逃げる。
後は地道に自分で探っていくかな。
あの人数だから無傷は無理だから、傷治るの待ちながら」
その言葉に総司が声を上げて笑った。
「雨ちゃん、たまに馬鹿だよね」
失礼なことを言いながら、総司もどこか安心したようだった。
心配してくれたのだろうか。
「確かにお前は賢いが、事情を知ってる奴から見れば、お前は一番俺たちを裏切る可能性は低い。
まぁそれを信じるには同じくらい、裏切られる可能性も疑わなければならない。
……ここまで言えば分かるだろ?」
トシはニヤリと笑った。