拾われた猫。
「…なんだよ」
呆れたように眉を下げて、総司を見る。
「いつまでもそんな風だと遅くなっても知らないよ。
まぁ…、左之さんには気づいて欲しくないけど、それじゃちょっと可哀想だから忠告」
冷たく笑って行ってしまった。
総司に言われるまでもなく、もう自分の中で答えは出ている。
あいつは俺の〝妹分〟だ。
それ以上でも、それ以下でもねぇ。
元よりそれが俺が決めていたことであり、俺の気持ちだ。
部屋に戻ると、どうしようもなく酒が欲しくなった。
今日は休みだ。
そう思って空けた酒もどこかいつもと違う味がした気がした。