拾われた猫。
丞と別れた後、私は木々に隠れて女の格好に着替えた。
髪も梅姉さんにしてもらったように結ったけど、やっぱり色が目立つので渡された外套を着た。
カラスプレーがあれば便利なのに。
とりあえず今夜寝泊まりするところを見つけなければならない。
刀はいつものように袖口に隠して、街を歩くことにした。
服は拷問室に放り込んでおけば部屋に運んでおくと言われたので、その通りにしておいた。
町は街灯に照らされて、町歩く人もほろ酔いが多かった。
昼には目立たなくて気づかなかったけど、街灯はあるんだと少し驚く。
改めて見ると、この世界は現代と昔が入り混じっているようだ。
「もし、そこのお侍さぁん」
「いい女はいるか?」
だいぶ歩いたところで遊廓の領域に入ったらしかった。
女は男に媚び、男は女をイヤラシイ目で見ている。
私は外套を更に深く被り、気持ち早足で歩く。