拾われた猫。
「まぁ、出会い方はカッコ悪いことに飲み屋の帰りだったんだがな」
バツが悪そうに笑った。
それでも彼らに会えたことは幸運だった。
あのままでは私は中に連れ込まれていただろう。
騒ぎを起こすことが出来ない今、この動きにくい服装では逃げることも至難の技だった。
「ありがとう」
外套を少しだけ上げて、彼らに笑顔を見せる。
彼らも安心したように笑ってくれた。
「頑張れよっ!
あと、帰ったら色んなとこ連れてってやるよ!」
平助の元気な笑顔は心が晴れる。
コクンと頷くと、怪しまれる前に別れた。
私はまた歩き出すと、やがて町外れに着いた。