拾われた猫。
彼女は私が新選組に居候していることを知っていた。
もしかすると王側の間者なのかもしれない。
そうも考えたけど、彼女が私を見たとき、何の感情も読み取れなかった。
彼女が私を知っていたのなら、多少の殺意は漏れ出す。
もし、その道の仕事をしていたとしても完全にそれを消すのは至難の技。
そういう風には感じなかった。
むしろ私に好意の感情を向けているように見えた。
本当に偶然新選組の前を通りかかっただけ…か。
偶然にも程がある。
……彼女も見極める対象。
明日もまた来ると言っていた。
彼女に借りた布団を敷く。
今日は眠ろう。
また…明日から始めよう……。