拾われた猫。



「それで?

そいつは今どこに?」

「拷問室に入っているはずだ。

俺たちはその中には入っていけないが、幹部の奴らが毎日交代で拷問室を見張ってるからな。

間違いない」



怪しく笑う彼らは確信を持ったような表情だった。


〝噂〟。

〝幹部〟。

〝拷問室〟。

〝見張り〟。



間違いなく、新選組の話だろう。


拷問室に交代で見張りをつけるというのはトシの考えだろう。



ここからは2つの考えが導き出せる。



一つはこの計画がバレないようにいるはずの無い罪人が拷問室にいるかのように見せ、敵の警戒心を解いているのだろう。



そしてもう一つ。


私からの連絡がいつ来ても良いようにということだろう。


ノアを私と一緒に行かせたのは、連絡を期待しての事だろう。



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