拾われた猫。
単純極まりない考えも、警戒を忘れた敵から見ればこんなにも簡単に引っかかる。
さすが鬼の副長さん…。
クスリと笑って、外套の中で肩に乗っているノアを撫でる。
「…よし。
ではまた3日後、ここで待っている。
経過を伝えろ」
「了解」
ニヤリと笑う彼ら。
美華さんが襲われたのは本当に偶然だったけど、こんな収穫があるとは思わなかった。
3人はそこで別れて、そのうちの2人がこちらに向かっているので、屋根の上に静かに飛び乗り、事なきを得た。
きっとあの2人は新選組に帰るのだろう。
「ノア、あの2人を追いながらこれを幹部の誰かに渡して」
懐から紙を出すとサラサラと今の情報を書いていく。
それをノアの尻尾に巻き付け、撫でると「にゃぁ」っと鳴いて彼らを追っていった。
「さてと…」
私はもう1人の得体の知れない男を追うことにした。