拾われた猫。



「俺たちとは無関係のお仲間が拷問室で拷問されてらぁ!

ガッハッハッハッ!!

1週間後にゃ、あの屯所は血の海だ」



下品に笑う彼の話からして、1週間後に彼らが屯所に乗り込んでくるという話だろう。



彼らが無策に乗り込んで来たところで、返り討ちにされるのは目に見えている。



そんなことは彼らも承知のはずだ。



なんの根拠があって言っているのかが分からない。



ほかの男たちもただ笑うだけで、それ以上は何も言わなかった。



それから数時間後、彼らはベロベロに酔った体を引きずるように遊郭を出た。



彼らは同じ場所に帰っていく。


そこは古い廃寺だった。



彼らが最後だったのか、見張りの男は彼らが入った後に辺りを警戒しながら門を閉めた。



それを見届けた後、私はボロ小屋に戻るのだった。




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