拾われた猫。
すると、柄の悪い男の3人組が通りかかる。
ハッとして、私は早足で彼らに近づいた。
「おい、雨!」
私たちにしか聞こえないような声で名前を呼ばれたけど、気にせずに彼らにぶつかる。
「おい、あんた!」
案の定彼らは振り返って、私の肩を掴んだ。
「ほぅ、女か。
姉ちゃん、ぶつかっといて詫びも無しか?」
ニヤニヤと気持ちの悪い笑みに鳥肌が立つ。
「申し訳ございません。
どうかご容赦を」
ペコリと頭を下げるけど、彼らはお互いの顔を見合わせて笑うだけだった。
「見てみな!
あんたのせいで着物に汚れがついたじゃねぇか」
どう見ても元からあったようにしか見えない汚れ。
「それは私のせいではございません」
「あ゛ぁ?
いいから来い!」