拾われた猫。
部屋にいた2人はやがて、足音の男に連れられてどこかに行ってしまった。
その隙に部屋の中に入る。
部屋にいた二人が出ていく時、呼びに来た男は明らかに恐縮していた。
ということは、二人は上の人ということ。
間違いなくこの部屋に大事な何かがあると直感する。
まずは不用心に置かれた机の上の書類を拝見する。
「……新選組の幹部連中の名前?」
流派や持っている武器などが丁寧に記述されている。
他にも漁っていくと、新選組の内部情報が詳しく書いてある。
これを見れば見るほど、私は新選組のことをよく知らなかったのだと落胆する。
「…え、新選組って女王側近の直属部隊だったんだ……」
実感は湧かないけど、凄いということは分かる。
引き出しなどを開けると、鍵が掛かった引き出しがあった。
袖の中から針金を取り出す。
こんなこともあろうかと持ってきておいたけど、本当に使えるとは思わなかった。
カチャカチャと針金を入れ、鍵を解いていく。
その時、一つの足音がこちらに向いているのが聞こえた。
針金を取り外そうにも上手い具合に引っかかって取れない。
「…ちっ」
大きくなる足音に焦らされながらも、冷静に針金に感覚を預ける。