拾われた猫。
カチャリという音がして、フッと息を吐き、針金を取り外す。
その時、障子の前に人影が映る。
スゥーッと開いていく障子。
そこには先程二人を呼びに来た男が立っていた。
「……はぁ…全く。
自分の忘れ物くらい自分で取りに行けばいいのに」
そう言って、机の上の書類を少し持っていったのだった。
彼が出ていった瞬間、私は大きく溜め息をついた。
彼が入ってくる直前に、襖に隠れて気配を殺していた。
間一髪で免れたものの、鍵が開いていなければ計画が私のせいで失敗になっていた。
襖から出て、鍵の開いた引き出しを開いた。
中に大事にしまってあった書類を見て、少しの驚きと笑みを浮かべた。
サッと紙を出し、それを写生した。