拾われた猫。
「あんた……何でそれを…。
拷問室にいたんじゃないのかい?!」
紙に書いてあるのは、毒薬と睡眠薬を大量に買った報告書だった。
「律儀だよね。
こんなもの大事に残さずに燃やせばいいのに」
意地の悪い問いかけにハッとする〝彼女〟。
私が言いたいことを理解したようだった。
つまり、悪人のトップはもし途中で〝計画〟が明らかにされた場合、自分たちに火の粉が飛ばないように全て〝彼女〟のせいにする予定だったようだ。
「随分入念に考えるよね、気づかれた時のことまで。
あんたらのお頭さんはこれがどれだけ大変なことか分かってるらしいよ」
もう1枚の紙を出すと、〝女中〟は更に驚愕した。
〝新選組毒殺計画〟。
「私は知らなかったんだけど、新選組って女王側近の直属部隊に任命されてるんだっけ?
あんたらが何考えてるのかは知らないけど、これは……立派な反逆罪だよ」
冷たく睨みつけると、〝彼女〟はこれでもかというくらいに顔を歪ませた。