拾われた猫。




殺気を込めて〝彼女〟を見る。



幹部たちはきっと私の情報通りに彼らの根城に向かっているに違いない。



ここに残っているのは数少ない隊士たち。




「…元々、半分の人数は屯所を襲撃させる予定だったのさ。

毒薬を隠しやすくするための計画だったけど、……仕方ないね」



諦めたように笑って、〝彼女〟は声を低くした。


それは男の声に似ている。



……いや、その物だった。




「やっぱりあんた、男だったんだね。

顔綺麗だけど、名簿に女の名前無かったし」



ゲラゲラと笑う〝女中〟もとい男。



台所の外では、残っていた隊士たちが慌てる声が聞こえる。



「全部が全部計画書には書いてねぇんだよ」


不敵に笑う彼を蹴り飛ばす。


台所の戸とともに廊下に投げ出される。



気絶する男を他所に、廊下に出る。



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