拾われた猫。




帰ってきたのは3時過ぎ。



シャワーを浴びて返り血を流す。


緋くなる水を見ても、何とも思わない。



仕事なんだから。




お風呂場はいつものように鉄の匂いで充満する。




「はぁ…」



シャワーを止めると大きく息を吐いて、お風呂場を出る。



適当に拭いて、適当な服を着る。



リビングに出ると、冷蔵庫から水を取り出し、一気に喉を通す。



一度だけ深く呼吸をして、水を戻すとベッドに横になる。



暗闇の中、すぐに意識を手放した。




小さい頃の夢を見た気がした。


起きた時にはもう覚えてなくて、小さい頃がどんなだったかも曖昧にしか思い出せなかった。



まぁいいやと、いつものように学校の支度をした。



< 6 / 443 >

この作品をシェア

pagetop