拾われた猫。
帰ってきたのは3時過ぎ。
シャワーを浴びて返り血を流す。
緋くなる水を見ても、何とも思わない。
仕事なんだから。
お風呂場はいつものように鉄の匂いで充満する。
「はぁ…」
シャワーを止めると大きく息を吐いて、お風呂場を出る。
適当に拭いて、適当な服を着る。
リビングに出ると、冷蔵庫から水を取り出し、一気に喉を通す。
一度だけ深く呼吸をして、水を戻すとベッドに横になる。
暗闇の中、すぐに意識を手放した。
小さい頃の夢を見た気がした。
起きた時にはもう覚えてなくて、小さい頃がどんなだったかも曖昧にしか思い出せなかった。
まぁいいやと、いつものように学校の支度をした。