拾われた猫。
「俺たちはお前の処分を考えていた」
先程の表情とは打って変わって、真剣な表情をしていた。
「お前は俺たちと一緒にいろ」
突然言われた言葉に驚く。
彼らからしたら私は異物でしかない。
いや、この世界からしても。
普通の神経では怪しすぎて置いておくことも出来ないはずだ。
「……私は…」
それ以上言葉が続かなかった。
「総司と試合をしていた時、実力は見させてもらった。
申し分ない実力だ。
文句のつけようもない」
穏やかに笑う近藤勇の言葉からは何の疑いも感じられなかった。
知らない所で皆で私の事を考えてくれていたようだ。
普段なら「いろ」と言われれば、驚きも無く即答で「分かった」と答えていたはずなのに。
自分の中で何かが変わり始めていた。