拾われた猫。




次の日、私を含めた幹部全員で会議が開かれた。



私をどこの隊に置くかという事だった。




「香月、お前はこれまでと同様に男装を続けてもらう。

新選組には女は入れないが、お前はこの条件での入隊を許す」



土方歳三の言葉に幹部全員が頷いた。



「香月くん、君はどこに行きたい?

希望はあるかい?」



近藤勇の穏やかな質問に、頭を捻る。



希望は特にない。

決めてほしいというのが私の希望だったけど、あまりに無責任なことは言えない。




「雨、俺のとこに来いよ!」



人懐っこい笑みで私を勧誘したのは平助だった。



「俺と一緒なら絶対楽しいって!」

「ばーか。

お前は嘘つくの下手だろうが。

隊に入れるってことは女だって秘密も守らなきゃいかん。

雨ちゃん、俺のとこに来な」



平助に悪態をついたのは永倉新八だった。



いつものように言い合いが始まる。


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