拾われた猫。
「香月くんは人気者だな」
悠長なことを言う近藤勇は、どうやら止める気はないようだった。
いつまでも平行線な彼らを眺めている。
本当に仲がいいのだと羨ましくなる。
「お前のことで必死になってんだよ、あいつら」
私の心情を読んだみたいに、優しい笑顔でそう言ったのは原田左之助だった。
「だから、雨。
お前は笑ってればいいんだ」
彼は大人っぽい。
でも、お酒が入ると子供っぽい。
彼は優しい。
皆も優しい。
なら、私は……?
「……私は、はら…」 バンッ!
答えを決めた私の声は、障子が乱暴に開かれる音に止められた。